2026年3月4日水曜日

▶病者の祈り



この詩は、南北戦争時代のアメリカで、戦士した兵士のポケットから見つかった紙切れに書かれていたものだそうです。今でもニューヨークの研究所の一角のレリーフに刻まれています。

この詩は、力や健康、富や権力を求めたにもかかわらず、与えられたのは弱さや病、貧しさであったと語ります。しかし、結びでは「求めたものは一つとして与えられなかったが、願いはすべて聞きとどけられた」と記しています。ここには、人の願いと天のはからいとの違い、そして逆境の中にこそ備えられた深い恵みがあるという洞察が込められています。

思い通りにならない出来事に直面すると、私たちはつい不運を嘆いてしまいます。けれども、この詩は静かに問いかけます。目の前の出来事には、私たちが気づいていない別の意味があるのではないか、と。苦難のただ中にあっても、なお感謝を見いだそうとする心のあり方――そこにこそ、人生を確かに歩んでいくための大切な知恵があるのだと、そっと教えてくれているように思います。

<病者の祈り >

〜ニューヨーク・リハビリテーション研究所の壁に書かれた一患者の詩〜

大きなことができる力をください、と神さまに願いました。
けれど与えられたのは、弱さでした。
それは、思い上がらず、謙虚でいられるためでした。

もっと偉大なことをするために健康をください、と願いました。
けれど与えられたのは、病でした。
それは、本当に偉大なことは何かをを理解するためでした。

幸せになるために、お金をくださいと願いました。
けれど与えられたのは、貧しさでした。
それは、足ることを知る心を育てるためでした。

人から賞賛を得るために、権力や立場を求めました。
けれど与えられたのは、弱さでした。
それは、天狗にならないように戒めるためでした。

人生を思いきり楽しみたいと、あれもこれも願いました。
けれど与えられたのは、ただ「この命」だけでした。
それは、どんな小さなことにも喜びを見いだすためでした。

願った通りのものは、ひとつも手に入りませんでした。
それでも、心の奥で本当に願っていたことは、
すべて聞き届けられていたことを知りました。

何ひとつ思い通りにならない私でしたが、
気がつけば、私はだれよりも豊かに祝福されていたのでした。

原文(英文)
A CREED FOR THOSE WHO HAVE SUFFERED
I asked God for strength, that I might achieve
  I was made weak, that I might learn humbly to obey...
I asked for health, that I might do greater things
  I was given infirmity, that I might do better things...
I asked for riches, that I might be happy
  I was given poverty, that I might be wise...
I asked for power, that I might have the praise of men
  I was given weakness, that I might feel the need of God...
I asked for all things, that I might enjoy life
  I was given life, that I might enjoy all things...
I got nothing that I asked for -- but everything I had hoped for
Almost despite myself, my unspoken prayers were answered.
  I am among all men, most richly blessed!
(Author unknown)
This creed is hung on a wall at a waiting room of Institute of Rehabilitation Medicine, 400 East 34th Street NYC.

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