2020年12月17日木曜日

中川一政 もう一度生まれたら

 もう一度生まれたら(中川一政)

私ははじめて生まれてきた。
だから、どう生きたらよいかわからずに這い出した。
どこへ行ってもぶつかる。
ぶつかって間誤ついた。
今度生まれたら、もっと卑屈にならずに堂々と歩けるだろうし、
無駄もしないだろうと思う。
しかし、それはわからない。
矢張りまごついたり、いじけたり、物にぶつかって歩いてゆくのが、
人間というものかと思う。

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